第1章 始まり
「…あっ…ふっ…ん…」
甘い声が聞こえた。
ここは、放課後の図書室の奥。…奥だから少し暗がりがある…
そして、あまり生徒は寄らないと思って彼らは油断したのだろう…
「…っ…」
夢は本を探して奥まで来ていた。そして、この場に遭遇してしまった。
思わず息を飲む。
この場合、彼らに気づかれない様に立ち去るのが、ある意味平和的行動だろう。
しかし、あまりにも予想外の事態に身体が固まってしまった。
その間も、彼らはお互いの事しか見えておらず行為は、激しくなっていく。
本棚で自分の姿は隠れているが、僅かの隙間に見えてしまった過激な光景…。目の前で絡み合う男女に、夢は釘付けになってしまった。