第7章 双子の相手【宮 侑・宮 治】
数日が経って
□□さんも大分慣れてきたようや。
教科書が届いて
机が離れたときは
治が寂しがっとって
めっちゃおもろかった。
「~♪…」
最近は学校が楽しい。
飲みもん買いに
自販機に向こうとるだけで
なんか楽しい…
体育館横の自販機にたどり着くと
体育館裏がなんや騒がしい。
「□□さんやったりして〜」
近づいていくと
ただ事ではない雰囲気。
「あんたさぁ…調子乗っとんちゃう?
あつむくん と おさむくん
両方に取り入るとかさぁ!」
ガッ
『うっ…』
「あんたみたいな
地味で!根暗で!ダッサい女は
からかわれとるだけや!」
そう言いながら
倒れとる□□さんの腹部を
蹴りまくる
宮ツインズの取り巻きA。
ブチッ
数人で□□さん囲んで暴力とか
頭イカレとんちゃう?
俺、こういうのに口出しするん
好きちゃうけど…
「おい、何してんねん。」
と出ていった。
「□□さん…いや、〇〇
に手ぇ出すなや…」
と、体育館の反対側から治まで出てきよった。
ほんで、俺より先に名前呼びしよった!
双子ってほんまなんなん!?
「あ、いや…これは…その…」
うろたえるA
『ケホッ…ケホッ…』
と、咳き込む〇〇は
服がびしょ濡れで、
泥まみれになっとる。
多分、水ぶっかけられて
こかされて、
蹴飛ばされとったんやろ。
ほんま、女って怖いわ。
「もうええわ。
はよいねや。」
2人で睨みつけると
女子たちは
泣きながらどっかいった。
「〇〇…?大丈夫か?」
倒れた体を起こして、
声をかけると
『ぐすっ…あ、ありがと…』
と、俺と治の腕に抱えられて立ち上がる。
それでもフラついて
おぼつかない足…
よう見たら
顔もちょっと赤なっとるやん。
「〇〇…顔まで叩かれたん?」
『あ、…う…ん
この学校の女の子は
気が強いんだね…//』
えへへ…と笑う
彼女が痛々しくて
すぐにどうにかせんと…
(俺がお姫様抱っこで
保健室つれてったる!)
と思った矢先に
フワッと彼女の体が浮く。
「保健室連れてったるわ」
治に先越された…
ほんま双子ってなんなん…