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[R18]ハイキュー!!(裏短編集)

第5章 悪役令嬢の憂鬱【黒尾 鉄朗】




「俺は…俺は
〇〇を蔑ろにした訳じゃねぇよ…

白鳥の親父は引っ越してくる前から
いわく付きだったんだ。
住んでいる国の武器を隣国に
横流しするって噂があった。
それを調べるために、
白鳥麗子と関係を深める必要があった…

ただそれだけだ……」

そう言って唇を噛み締める鉄朗様。

私はその言葉に
ほっとしてしまった。
(鉄朗様は白鳥麗子に
惚れているわけじゃないんだ…//)

「じゃ、じゃあ
彼女が兄さんの部屋にいた理由は?」

「……それは、
〇〇が行方不明になったと聞いて
真っ先に疑ったからだ……」

「白鳥麗子を?」

「あぁ。
お前が仕組んだとは思わなかったが、
完全に婚約者の座を奪うつもりだった。

最後の手段で、
〇〇を監禁するなり
殺すなりしてしまえば、
白鳥麗子は婚約者になる
可能性が高まるからな…」

(今朝のも私をほったらかして
情事にふけっていた訳じゃなく、
私のために彼女を問い詰めていたんだ…//)

そして、リエーフ様は観念したように

「それじゃあ、兄さんは
今でも〇〇のこと……」

「あぁ。愛してる…」

ドクン…

『…っ////』

心臓が跳ねた気がした。
耳元で囁かれたんじゃないかと思うくらい
鮮明に聞こえた。

「そっか………

ごめんね…………」

リエーフ様は
思ったよりもあっさりと
謝罪し、拘束を解いてくれた。

腕をさすって
痛みがないことを確認していると

「おい、大丈夫なのか?」

鉄朗様が駆け寄ってきて
私の顔を覗く
言葉遣いとは裏腹に
とても不安そうな顔をする鉄朗様が
なんだか愛おしかった。

『えぇ……平気ですわ…//』

2人の空気を察してか
白鳥さんとリエーフ様は
部屋を出ていった。


「チッ…リエーフのやつ…
〇〇を誘拐するとは……」

ボソッと呟いて
ぎゅうっと抱きしめてくれる。

『…わ、私も…油断してましたわ…
ごめんなさい……
皆さんに迷惑をかけてしまった…』

抱き締め返しながら
普通の会話をする。
今までの不安や嫉妬がみるみる解けていく。

「迷惑なんて考えるな…
俺こそ心配かけて悪かった……」

『いえ、……
私こそまだまだ
王妃になるには修行が足りませんわ…』

暫くお互いに謝り合っていたけど、
面白くなって
笑ってしまった……
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