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[R18]ハイキュー!!(裏短編集)

第5章 悪役令嬢の憂鬱【黒尾 鉄朗】




**


「………

君に痛い思いをさせられないから、
今日はもうこれくらいにするよ…」


少しシュンとした声で
私の頭をそっと撫でる
リエーフ様…

あれからどれくらい経っただろうか…
長い間ナカを指で掻き回されたが
私の体は感じることなく、

彼を迎え入れることは無かった。


『ん…グスッ……』


私はされるがまま、
何も出来ない無力さに
ただ涙を流すしかなかった…


「あぁ、泣かないで…

明日は絶対気持ちよくするから…」


そう言って目隠しから零れた涙を
指ですくい、
布団を着せてから
リエーフ様は部屋を出ていった。


(あぁ…寝てはいけない…)

分かってはいるが、
現実から逃れたい気持ちと
先程までの情事の疲れで
私は眠りについてしまった…


**


「~~!!!」

「〜!!!」

暫くして
部屋の外の騒がしい音で
目が覚めてしまった…

今が朝か夜かも分からない…

(人の声?)

外で数人の男が
が叫んでいるようだった。

「~まを~~せ!!!」

「こちらには〜〜〜ん!!!」

ひょっとしたら
私を探しているのかもしれない…

私は室内に誰の気配も感じなかったため、
枕を使って、目隠しの布をずらした。

目の前に広がる光景には
まだ明かりの差し込まない窓と
高価な家具で彩られた部屋…
そして、見覚えのある天井…

『んん……』
(ここは…)

そして、頭上で束ねられた
右手の拘束を外す。
こちらはロープで
適当に結ばれただけだったので
容易に外すことが出来た。

そして、口元のテープを外す…

『誰か助けてーーー!』

と叫びたいところだけど、
ここは敵のテリトリー内
下手にバレて
拘束を強められても困る。

私はとにかくこの部屋から
脱出するため
ベッドの拘束をとく方法を考えた。

私の目に
彼がさっきまで私を
気持ちよくするために
使っていたローションが見えた…

ベッドの側のサイドテーブルに
ご丁寧に置かれたその
潤滑油を左手に掛けまくり、
手錠から手を抜くように引っ張る

『っく……』


ヒリヒリと痛むものの
徐々に腕が引き抜かれていく。


ズルッ!


そして、何とか引き抜かれた手…


(よしっ!)

私は急いでその辺に散らばった
自分の衣服を着て
ひとつしかない
扉の方へ向かった。

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