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[R18]ハイキュー!!(裏短編集)

第5章 悪役令嬢の憂鬱【黒尾 鉄朗】




彼はわざと私の隣にどかっと座り
メンチを切ってくる。

(ていうか、
見ていたような言い方ね…)


『そうですわね…
リエーフ様は一人の女性を
大切にしてくれそうですし、
隣に座っても安心できますわ…』


私は冷たい目でこう言い放った。


自分でも強がりだって分かってる。


貴方と白鳥麗子の関係は
私が許してやってるという体裁じゃないと
私が惨めになるから、仕方ない、


それに、
こんな可愛げのない婚約者が
今更彼女の所へ行かないでくれ
なんて縋りつけるはずもない。


「ほんと、可愛げないねぇ…」


鉄朗様は冷たく言うと、
ドサッ…

と、ソファに私を押し倒した。


『なっ、なにを……///』


私は彼の体を押しのけるように抵抗するが、
「今日は彼女と会えないからな…
相手をしてくれ…」


スル…と服の中に
忍び込む鉄朗様の手…


ゾクッ…


愛人の相手をしている
鉄朗様を想像してしまって


バチンッ

思わず平手打ちをした。


「…ッテェ…」


痛がる鉄朗様は
表情が見えない。


『最っ低…//』


ポロッと涙が零れたが
すぐに拭って
あくまで強い女を演じた。


『…私、これから用事がありますので、
…失礼します…』


彼を押しのけて
部屋を出る。


彼はまだ呆然としているようだったが
逆ギレされても怖いので
庭園の方に逃げることにした。




屋敷の外の庭園-



石畳の庭園をなんの目的もなく
ボーッと歩いていると…


いつの間にか
茂みの中を歩いていることに気がついた。


(しまった、森の奥の方まで来ちゃった。)


そろそろ部屋に戻ろうかと考えたが、
まだ鉄朗様が居ては困るので


また世界の端っこでも探すか…
と日暮れの森の中を
どんどん突き進んで行った。


日が落ちて
暗くなってくる。


(ゲームの世界だし、
怖いことにはならないわよね?…)


日が完全に落ちた頃…


ドンッ!!


『きゃっ!』


壁にぶつかって
尻もちを着く。



ここまでか…



私は屋敷を探すため
周囲を見渡すが、
暗くて何も見えない…
薄く光が見えるが、
ぼやけてすごく遠い場所のように感じる。


『あれ……おかし…な…』

目の前が…ぼやけて…

ドサッ

私は急な睡魔に襲われて
眠ってしまった…






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