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[R18]ハイキュー!!(裏短編集)

第5章 悪役令嬢の憂鬱【黒尾 鉄朗】



翌日-

私は学校の図書室で、
歴史の本を読み漁っていた。

ひとまず、この世界に
馴染まなければならないからだ。

先週1週間で
作法やマナーに関することは
頭に叩き込んだ。

しかし、国のことや隣国との交易などは
まだまだ分かっていない…

一応王子の婚約者として
恥ずかしくない振る舞いをしないと。

この体のスペックなのか
物覚えはよく、頭もきれる。
少し厄介なのは、
話し方が
ゲームのキャラの言葉になってしまう事だ

例えば
(こんにちは)は
『ごきげんよう』

(君、失礼じゃない?)は
『あなた、無礼じゃなくって?』

となる…
(なんか、言い方キツいんだよなぁ…)
そんなことを考えながら
本を読んでいると

入口の方で
甲高い女の声と少し低めの男の声がする。

二人の声が段々近くなり
会話が聞こえてくる。

「麗子…お前、本なんて読めるのか?」

「あっ!ひどいですよ〜!
難しいけど、読めるもん!」

「あ、そう?
そりゃ、すいませんね〜っと…」

声が目の前で止まり

「よぉ…」

と、聞こえる
(この声は…!)

私は本を読むのをやめ、
はっ!と立ち上がり
『ごきげんよう…鉄朗様…』
と、会釈した。

顔を上げると

ポケットに手を突っ込んで
素っ気ない態度をとる鉄朗王子と
鉄朗様と腕を組んでいる白鳥 麗子。

「何読んでるんですかぁ?」

なんて、頭の悪そうな質問。

『無礼ですよ…白鳥さん…
私は仮にも王子の婚約者…
…貴女よりも立場は上よ?

挨拶はごきげんようじゃなくって?』

私はお決まりのキツい言い方で
彼女を諭す。

しかし、彼女には響かない。

「うわーん!鉄朗様ーっ
〇〇様が睨みつけてきてこわい〜!」

なんて
泣き真似&胸を鉄朗様の腕に押し付ける作戦
で対抗してくる。

『…💢』

「ま、まぁまぁ…落ち着けって…
〇〇も、あんまり
キツい言い方するなよ…

麗子はまだこの国に
来たばかりなんだぞ。」

(…私が悪いって言うの!?)
と、怒り出しそうになったが

『…まぁ、いいですわ。

用がないなら
私はこれで失礼します…』

「あ、おい…」

カツカツ…

私は呼び止めようとする鉄朗様を背に
その場を去った。


しかし、
1度はゲーム上で好きになった相手…
嫌いになるには時間がかかりそうだ…


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