第11章 カミュ×妻子

「お前……」








ジロッと睨むと








「わーん、怒んないでよー;;








だってミューちゃんの話聞いたときに
思ったんだもん。








辞める必要ないんじゃないかって。









アイドルで結婚してる人なんて
いくらでも居るわけだし、








社長も許してくれると思うよ？」









「ぐぬ……」








何故か言いくるめられているようで
腹が立つ。








すると
後輩たちも








「みんなーっ！！








カミュ、やめた方がいいと思うー？」








なんて、直球で聞く。









会場から









おもわなーーーいっ!!!!








と言われた瞬間、








嬉しくて
涙が出そうになった。








ありがとう、みんな……








ありがとう、○○…








また中継画面に戻って
愛島が話し出す。








あぁ、歌…歌わなければ…








すっかり忘れていたが
マイクを持ち








スタンバイする。









すると、








会場が、急にざわついた。








え？誰？








なんか、かわいい。








などと
言われている。








皆の視線の先を見ると…









「シヲン!?!?








ど、どうした!?!?」








舞台袖から
俺の可愛い息子が
こちらへ歩いてくる。








「パパっ!!!!」








ダッと走ってこちらに向かい
俺に飛びついてくる。








会場中が柔らかな空気に包まれる。








その後、愛島と
シヲンを抱っこしながら
歌いきり、








LIVEは思ってもいなかった
happy end
を迎えた。








**








「○○…ありがとう。」








月明かりに照らされて
少し明るくなっている
病室のベッドで二人並んで
窓を見つめる。