第11章 カミュ×妻子
そう言われて
脱力した。
再びモニターを見ると
やっぱり
○○の病室だった。
愛島が映り込む。
「えー、ワタシは今、
カミュの奥さんの病院にイマス。」
泣いていたものも
怒っていたものも
一斉にモニターを見る。
「コンニチハ」
『こ、こんにちは…;;』
緊張でガチガチになっている
○○が姿を現す。
「○○…」
俺はモニターに映る彼女に話しかける。
すると、
彼女は、
『えっと、
その会場にいらっしゃる、
全ての方々に、
私から伝えたいことがあります。』
と言う。
会場全体がゴクリと息をのむ。
『私の夫は、
アイドルをしながら、
隠れて私のような者と
付き合ってくれました。
私達は政略結婚でした。』
ゆっくりと
淡々と
話していく○○。
『初めてあった時は
なんて
偉そうな人なんだろうと思いました。
何をやっても文句ばかりだし、
やっぱり、政略結婚なんて…って
思っていました。』
『けど、私が熱湯をかぶって
大火傷しそうになったとき、
すぐに駆けつけて
処置をしてくれたんです。
今まで見たことのない夫でした。』
『それから、
二人で話をすることも
多くなって、
彼の夢についても
話してくれました。』