第10章 藍×白衣眼鏡
いつもの日常
『ふぎゃぁぁっ!!!
藍ちゃん、逃げてぇぇっ!!!!』
という叫び声と共に
ー…ボンッ!!!!
という小さな爆発が起こり、
辺りが白い煙に包まれる
『ケホッケホッ…
藍ちゃ、、大丈夫?』
「ケホッ…大丈夫…」
『へへっ、
また失敗だったねぇ~(✿´꒳`)ノ』
顔に煤をつけて
へらっと笑うこのアホ面は
□□ ○○さん。
「また…ですか。
というか、
いい加減にしてほしいんですけど。」
いつも、この人が失敗する度
睨み付ける僕。
『あ、う…ごめんなさい…(._.)』
いつもそうしちゃうのは
この顔が堪らないからだ。
さっきまでヘラヘラしてたくせに
相手が怒ってると思うと
このしょんぼり顔。
まぁ、好き。だよ。
**
ここは新薬の開発を行っている研究所。
それなりに優秀な人達が集まって
毎日研究に没頭している。
○○さんの他に
この研究所には
友千香さんという綺麗な人がいる。
この二人が大きな権力で、
いつも派閥争いをしている。
っていっても、
向こうが勝手に喧嘩売ってくるだけなんだけど。
「あれ?□□さん?
またやっちゃったの?(^^)
所長に相談して今回の研究費は
7:3にしてもらおうかしら?」
噂をすれば…。
『あ、あははっ、
アハハハハハ……っ……
それは困るなぁ……f(^^;』
頬をかきながら
ヘラヘラと笑う彼女。
僕は何か言い返したいけど、
この人が我慢してるならする。
「あと、そこの美風くん?
所長が移動するよう言ってたわよ?
美風は優秀だから渋谷のところに
行きなさいだって。」
名前を覚えられていたことにも
驚いたけど…
何だって?
「え?なぜ、僕が…?」
「そもそも、あなたみたいな
天才クンが、
そんな、失敗ばっかりの
研究室にいる方がおかしいんじゃないの?」