第21章 蘭丸×スポーツユニ (前編)
高校の入学式、
この日だけは
さすがにその格好やめてって
妹に言われて
久々に髪を下ろして
眼鏡を外して
メイクをして
スカートを折って、リボンをして
家を出た。
お母さんが先にいってしまったから
私は満員電車にギュウギュウに
されながら
入学式に向かっていた。
このときに出会ったの。
蘭丸先輩に…//
**
『ん……
寝ちゃってた…』
懐かしい夢みたな…
中学3年のときか…
「ん…」
ビクッ!!!!
寝ぼけ眼に映ったのは
(ら、ら蘭丸先輩っ!?!?////)
寝顔も美しい…////
私は携帯を構えて
固まる。
これ、撮っても大丈夫かな?
いや、良心に基づいてこれは…
まてまて、こんなチャンス2度とない…
よし、撮っちゃえ…
バッ
携帯を構えて
スピーカーの部分を塞いで
息をのむと…
「なにしてんだよ…」
カメラ越しに蘭丸先輩が
こちらを睨む。
『わわわっ!?;;;;
せ、せんぱ、ぃいつ起きて!?!?///』
驚く私に
完全に起き上がって
頭をポリポリかいて
「お前がカメラを構えて躊躇してるあたり?」
『な、っ!?!?///
ほとんど起きてるじゃないですか!
ご、ごめんなさいっ!!!!
どうかお許しをっ!!!!』
ペコペコと謝る私に
「別にいいけどよォ」
とばつの悪そうにする先輩。
それから
遅くなったからと
家まで送ってくれた。
幸せだぁ…///