第21章 蘭丸×スポーツユニ (前編)
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翌日
昨日の少し距離の縮まった感覚を
思い出しては
ニヤニヤしている私。
もう、止まりません
教室の至るところから
あの子どうしたの?
なんて声が聞こえるけど
気にしない。
そんなウキウキになってる理由はもう一つ。
1ヶ月後の花火大会に
浴衣でデートすることが決まったから。
帰り道に
花火大会のポスターがあるなんて、、
神様が私に味方してる!!
そんなことをずっと考えていた。
教室でのほほんとする私を
じっと見つめる黒い影があったことにも気づかず。
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蘭丸side
なんか変な気分だ…
昨日あいつが家に来てから
自分がおかしい。
それまで頭から離れなかった
俺の片想いの相手の顔が
ほとんど頭から消えてる。
携帯の写真を見ても
前ほど会いたいとか欲しいとか
思わなくなってる。
「で、どうなのよっ??」
と、横から話しかけてくる嶺二には
この気持ちはまだ隠しておく。
「何もねぇよ。
ヤるまでいけなかったぐらいだ。」
そう吐き捨てる俺に
「おっ?珍しい~♪
ランランも学習したのかなっ?
それとも、
新しい恋への一歩踏み出しちゃった?」
と、勝手なことを
ベラベラ喋るこいつ。
言うんじゃなかった。
「うるせぇ…(ゲシッ」
「いっ!!?
いったいよぉー!!らんらーん!!」
ほんとうるせぇやつ。
俺たちがふざけていると
聞き覚えのある
「失礼します。」
という声が聞こえた。
教室の入り口を見ると
2年の女子…
つか、七海じゃねぇか