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落ちた一雫

第18章  アルマトラン




コンコンッと扉をノックする音がする。




「・・・はぁい。」



扉を開けて入って来たのはシバだった。





シバ「・・・ごめんなさい、マリア。私、何も知らなかった。」
マリア「ううん。気にしないで。それより、部屋を飛び出しちゃってごめんね。」
シバ「・・・どうして?」
マリア「?」
シバ「どうして、私を怒らないの?私・・マリアを傷つけるような事言ったのに。」


マリア「・・・私ね、感情が足りないの。」
シバ「・・・え?」
マリア「小さい頃・・5歳くらいの時くらいまで、ソロモンにも会えなかった。ソロモンに会うまで、私人形みたいだったんだよ?(クスクス」
シバ「・・・ウソ・・。」
マリア「ソロモンは父親の後を継がせるだとか何とかで勉強ばっかりだったみたいだし。でも、初めて会った時はソロモンも感情が足りなかったな。」
シバ「・・・。」
マリア「他にも私には足りないものがいっぱいある。・・・全部、大聖堂府で忘れ去られたもの。捨てさせられたもの。・・・怖いのよ、こんな年になっても。同じことをさせられるんじゃないかって。」
シバ「・・・。」
マリア「ごめんね、シバ。私は行かない。」
シバ「・・・ごめんなさい、マリア。私、全然知らなくて・・・っ!!」
マリア「言ってない私が悪いのよ。だから、泣かないで?」
シバ「・・戻ってきたら、一緒に取り戻そう?その、捨てさせられたものや忘れ去られたもの!マリアも、幸せにならなきゃ!!」


マリア「・・・ありがとう、シバ。」



そう言うマリアの目には、涙が溜まっていた。












































ソロモン「・・・仲直りは、できたみたいだな。」
マリア「ごめんねソロモン。仲裁人みたいな事させて。」
ソロモン「いや、いい。」
マリア「明日、だよね。行くの。」
ソロモン「あぁ。マリアはここで待っててくれ。」
マリア「・・・気を付けてね、ソロモン。」




凄く、嫌な感じがするの。




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