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落ちた一雫

第17章  バルバッド








マグノシュタットでの出来事から半月・・・アリババはバルバッドの地に“使節”として降り立っていた。






バルバッドの地を歩くアリババ。

お昼時というのもあり、町は人で溢れている。






アリ「・・・随分と、変わっちまったな・・。」



キョロキョロと辺りを見回しながら歩いていたアリババは前から来る人影に気付かず



ドンッ!とぶつかってしまった。






アリ「うゎっ!」

「っ!!」





アリ「いってて・・・あ、すみません!!」

「いえ・・・こちらこそすみません。怪我はないか?」


スッとアリババの前に差し出される手。



アリ「こ、こちらこそ・・余所見してたもんで・・・。」


そう言いながら手を取って立ち上がるアリババ。




アリ「・・・?アンタ、ここに住んでるのか?」

「・・・いいや、旅をしていてたまたま通っただけだ。」




その人は他の人々とは違い、緑の服でもなく茶色の服でもなかった。


「一緒に来ていた奴とはぐれてな・・・探していた処だ。」

アリ「はぐれたのか・・・あ、じゃあ俺一緒に探しますよ!」



そうアリババが言うと驚く相手。アリババが霧の団をしていた頃のように相手は目元しか見えないが、目が大きく開いたので驚いたのだろうとアリババは解釈した。



「・・いや、何か所か心当たりはある。お気遣い感謝する。」
アリ「あ、そうなんですか・・。早く見つかるといいですね!」
「あぁ。・・・それでは。」



相手はスタスタと去って行った。
















アリ「・・・ん?あっちって確か・・・。」




総督府しかなかったはず・・・。

































「煌帝国征西軍バルバッド総督府大総督、練 紅炎閣下であらせられる!!」


アリババ達使節一行は、総督府に来ていた。



アリ「・・・。(バルカーク達・・。)」


「その者、無礼であるぞ。」
アリ「?」
「閣下は大宗国たる煌帝国の祖にして人民の主たる練家の太子であらせられる。閣下の御前で頭を上げるとは何事か!!貴殿の尊き身分は過去のもの。かつての家臣たちと同様に額づいて礼を示せ!!」


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