第14章 　帰還

レイ「アリババくんは？」


ヤム「今、アラジン君がアリババくんの中に意識だけ入っていったとこなの・・・。」
レイ「・・・何その技。」
ヤム「ソロモンの知恵、って言ってたわ。」
レイ「・・・あぁ。」
ジャ「！レイ、知っているのですか？」
レイ「名前だけなら。でも、これはそう簡単に扱えるものじゃないから、ヤム姉はこの魔法研究しない方がいいよ。」
ヤム「え、でも・・・。」
レイ「・・・“この魔法に終わりなんて存在しないのだから。”」


ヤム「・・・分かったわ。」

レイ「うん。・・お父さんは？」
ジャ「アル・サーメンを追いかけていきましたよ。」
レイ「あ、そう。じゃあ大丈夫かな。」
ヤム「・・・？大丈夫ってどういう事？？」
レイ「アラジンもアリババ君も、少ししたら目が覚めるよ。」







レイはアラジンの額をそっと撫でると部屋を出て行ってしまった。









モル「・・・アラジン・・・アリババさん・・・。」
ジャ「・・・ヤムライハ、レイがああ言うという事は・・。」
ヤム「そうですね・・きっと大丈夫です。」
モル「・・・レイさんの言う事は本当なんですか？」
ジャ「今までの事を考えると本当だと思いますよ。レイの言った事、今までは外れた事がなかったので。」
モル「それじゃあ・・・大丈夫、なんですね・・。（ホッ」





























レイ「・・・なぁに？お父さん。盗み聞き？」
シン「・・・レイ、アル・サーメンを知っているんだな。」
レイ「・・・急にどうしたの？」
シン「・・・君は、何者なんだ？」



レイ「・・・は？」



シン「俺とマリアの子。ジャーファルに懐いている子。迷宮を攻略している子。・・・他にもあるのだろう？」
レイ「・・・ねぇ、お父さん。私は私よ？他の誰でもない、私。レイ。」
シン「・・・。」
レイ「お父さんが私に言いたくないような事があるみたいに、私だってお父さんに言いたくない事あるの。」
シン「・・・レイ・・。」



レイ「お母さんにも、秘密はあったんだよ。」