第13章 第61迷宮ザガン
「「うわぁぁぁぁああっ!?」」
レイ「・・・いってらっしゃーい。」
迷宮の近くに行くと、レイ以外の身体に白い何かがまとわりつき、迷宮へと吸い込まれて行った。
レイ「・・・ここまで送ってあげたんだから、たどり着かなかったらどうしてやろうかな・・。」
と呟いて小舟を動かしているレイ。
レイ「・・・白雄、白蓮、いるんでしょ?」
そう茂みに問いかけるレイ。
蓮「・・・兄上ー、バレてましたね、やっぱり。」
雄「バレないとでも本当に思っていたのか?」
蓮「いいえ!」
レイ「・・・ヤムの防壁はどうやって?」
蓮「あぁ、そこだけ船に乗り込んだんだ。」
レイ「・・・なるほど。」
雄「・・・迷惑だったか?」
レイ「ううん。バレてないもん。」
蓮「そういやレイ、迷宮に3人ほど変な連中が入って行ったんだが・・・。」
レイ「・・・船に乗って。」
蓮「?村に戻るのか??だったらこっちの方が早いぞ?」
レイ「違う。迷宮に戻るの。」
雄「・・・その3人か。」
レイ「もっと来る。」
レイの視線の先には何もいない。
蓮「・・・金属器は?」
レイ「別にいいよ。」
雄「手加減は?」
レイ「一切いらない。」
蓮と雄も顔を上げる。
そこには、たくさんの人間がこちらを見下ろしていた。
「久しぶりだな、第1級特異点のシンドバッドの娘、レイ。」
レイ「イスナーン・・・だっけ?銀行屋とかもいるね。女もいるみたいだ。」
「邪魔はさせない。消えてもらおうか・・・第1級特異点、レイ!!!!」
レイ「そう易々と命をあげるほど、可愛い子じゃないのよ。私って。」
レイは自身の腰に下げている剣に手をかけた。