第2章 新生活
翌朝―――――――
レイ「んぅ・・・。」
レイが目を覚ますと、目の前にはまだ寝ているジャーファル。
いそいそと腕の中から出ようとして、レイは違和感を感じた。
ママ、こんなに腕太かったっけ?
むくりと無理やりに起き上がって後ろを見れば
全裸のシンドバッド。
レイ「・・・。」
硬直してしまったレイ。
ジャ「ん・・・?起きたのですか?レイ・・・?」
レイが起き上がった事で目が覚めたらしいジャーファルは目をこすりながら上半身を起こす。
ジャ「・・・何やってんだこのバカ王はぁぁぁぁぁああああああああああああ!!!!」
早朝からジャーファルの怒声が王宮内に響き渡った。
ジャ「何で貴方が此処で寝てるんですか!!」
シン「自分の子と寝たがらない親が何処にいる!!」
ジャ「毎度毎度何で全裸なんですか!!」
シン「それはいつもの事だろう!!」
ジャーファルの怒声で起きたシンドバッドは現在、ジャーファルの部屋の床の上で正座中である。ちなみにまだ全裸である。
ジャ「大体貴方は~~~!!」
ジャーファルのシンドバッドへの説教が続く中、レイは枕を抱えてその様子を見ないように窓から外を眺めている。
ジャ「レイには今のシンは悪影響です。」
とジャーファルに言われたためである。よって、レイはその様子を視野に入れないようにしていたのだ。
ジャ「レイ、もういいですよ。」
そう言われてレイが振り向くと、笑顔を浮かべたジャーファルときちんと服を着たシンドバッド。
ジャ「さ、レイ。朝食を食べに行きましょうか。」
そう言われたものの、レイは動こうとはしない。
シン「・・・?レイ?どうかしたのか??」
レイ「・・・靴、ない。」
そう言われて思い出す二人。昨晩はジャーファルがレイを抱えてこの部屋に来た為に、靴をあの部屋に置いてきてしまったのだ。