第9章 初めまして
シンドバッド一行は、出発した約1か月後にシンドリアに帰国した。
新たな食客も到着し、港は大騒ぎだった。
しかし、レイの姿がない。
シン「・・・ピスティ。」
ピス「はぁい!なぁに?王様。」
シン「レイは?」
そう尋ねると、部屋はしーんと静まり返った。
アリ「・・・レイさん?」
最初に口を開いた少年はアリババ。アリババ・サルージャという彼はバルバッド王国の第3王子だったが、バルバットはすでに国民の一揆とアリババにより、王政が廃止された。
モル「・・・シンドバッドさんがバルバッドで何回か口にされたお名前ですね。」
彼女はモルジアナ。戦闘民族、ファナリスの末裔で現在はアリババともう一人の少年、アラジンと共に旅をしていた。
ジャ「・・・レイは?いないのですか??」
恐る恐る口を開いたのは、ヤムライハだ。
ヤム「その・・・王たちがバルバッドに向かわれた翌日に・・迷宮へと向かわれました。」
アリ「・・・はぁ!?迷宮!?」
ピス「ごめんなさい王様!!!!」
シン「あぁ、あの迷宮はレイが向かったのか。」
ジャ「ちょ、シン!?迷宮ってどういう事ですか!?」
シン「あぁ、海底に迷宮があるらしいと噂は聞いていたんだがな?まさかレイが行くとはなー・・・。はっはっは!!さすがは俺の子だ!!」
ジャ「笑ってる場合じゃないでしょーが!!!!」
スパコーンッと綺麗な音を立ててジャーファルはシンドバッドの頭を殴った。
シン「痛いぞジャーファル!!」
ジャ「1か月ですよ!!約1か月!!その間レイは戻ってきてないんですよ!?」
シン「迷宮の中と外では時差がある物もあっただろ?」
ジャ「そうですけど・・・!!」
「・・・あれぇ?お父さんたち帰ってきてるじゃん。」
不意に聞こえた声に、アラジンは弾かれたようにそっちを見た。
アラ「・・・!」
アラジンはその声のする方へと駆けて行き、抱き付いた。
アラ「久しぶりだね・・・!お姉さん!!」