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落ちた一雫

第7章  白い闇





ジャ「・・マスルール、これは・・・。」

マス「・・・レイ、さっきやっと寝たんス。」





その言葉に疑問を感じたジャーファル。














ジャ「・・・やっと、とはどういう事ですか?」
マス「・・寝てなかったみたいッス、ずっと。」





ずっと。とマスルールは言った。つまり、目覚めた日から1週間も寝ていなかった事になる。これにはジャーファルも驚いた。






ジャ「・・・人肌が、恋しかったのでしょうか・・。」








ジャーファルは後悔した。
レイはシンの子供だ。レイはしっかりしている。レイは大人びている。ジンも持ってる。戦える。





















しかし、それでもレイは11歳の子供なのだ。
一人が怖いだなんて当たり前だ。以前にも同じ事があったじゃないか。と思い返せば後悔ばかりがジャーファルの頭を埋める。
しかし、侍女の言葉をふと思い返す。






“何かと理由をつけてお部屋の前には来られるんですけどね、何分来られる回数が多いので朝に一度お部屋に入られるように・・・。”





つまり、シンは何度もレイの部屋に足を運んでいる。しかし、侍女が困ったように自分に相談してきたという事は、レイはシンとは会話をしていないと思っていいだろう。





ジャ「じゃあ、一体なんで・・・。」





マス「・・・ジャーファルさん、レイ部屋に戻してくれないッスか?」
ジャ「・・え?あ、あぁ・・はい。わかりました。」
マス「・・・風邪引かれたら困るんで。」







マスルールはジャーファルにレイを託すとひょいっと降りて裏庭に着地してスタスタと去って行った。











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