第5章 すれ違い
ふわりとジャーファルはレイを抱きしめた。
ジャ「すみませんでした。私が甘かったんです。」
レイ「・・・。」
レイはジャーファルに抱き付いて、しばらくの間声を押し殺して泣いていた。
泣き疲れたのか、レイはジャーファルに抱き付いたまま寝てしまっていた。それに気付いたジャーファルはレイを抱き抱えて部屋を出る。
ジャ「・・・盗み見とは、趣味がよくないですよ。シン。」
シン「・・・なぁ、ジャーファル。何で俺には懐いてくれないのにお前にはそんなにもなついているんだ?」
ジャ「それは・・・きっと、マリアの子だからですよ。」
“ねぇ、シン。私はシンに背中を預けて戦えるわ。だから、貴方も私に背中を預けなさいな。”
“シンに甘える?え、もう随分と甘えてると思うけど。”
“シンには言わないーっ!えへへっ。”
“シン・・・ごめんね・・。”
シン「・・・。」
ジャ「懐いてないわけじゃないと思いますよ。じゃなきゃ、大人しく貴方の部屋に1週間もいないでしょうし。」
シン「・・・そうか・・。」
ジャ「・・・めんどくさいですよ、シン。」
シン「Σめんどくさいって何!?王様悲しいんだけど!!」
ジャ「大声出さないで下さいレイが起きます。」
シン「あ、すまん・・・。」
この翌日、シンドバッドを起こしに来た侍女がシンドバッドの寝室で3人仲良く川の字で寝ているところを目撃し、文官達に報告したところ文官達は泣いて喜んでいたそうだ。