第4章 銀蠍塔
レイがそう言うとちょうど、終業の鐘が鳴った。
シャル「・・・ゲッ。俺昼からずっとレイと手合せしかしてねぇし!!」
レイ「・・・お仕事あったの?」
シャル「・・・俺、仕事してない奴に見えるか?」
ジャ「シャルルカン・・・貴方、今日書類の締切だったんですけど・・何をなさっているんですかね・・・?」
その時、ようやくレイとシャルルカンはジャーファルとシンドバッドの存在に気付いた。
シャル「ジ、ジャーファルさん!!えーと・・・その・・。(汗」
ジャ「・・・明日の午前中に持ってこなかったら怒鳴りに行きますからね。」
シャル「!は、はいぃぃぃいいいい!!!」
そう言って、シャルルカンは銀蠍塔を出ていった。
レイ「・・・ママとお父さん・・。」
シン「レイがこんなに強かったなんて、父さん知らなかったぞー!」
シンドバッドがレイに寄っていくのに対して、ジャーファルはその場から動かない。
レイ「・・・聞かれ、なかったから・・。」
シン「・・・む、レイ、ケガしてるじゃないか。手当てに行くぞ。」
レイ「これくらい大丈夫。」
シン「レイ、顔に傷が残ったらどうするんだ?」
と言いながらシンドバッドはレイを抱き上げる。
シン「ジャーファル、お前も一緒に来てレイの手当てを・・・。」
ジャ「レイ。」
今まで黙っていたジャーファルが声を出した。
レイ「・・・ママ?」
ジャ「・・・すみません、今日は仕事が残ってるんです。先にシンと寝てて下さい。」
と言うと、ジャーファルはスタスタと白羊塔に戻ってしまった。
レイ「・・・。」
シン「・・・レイ、行こう。今日は俺が世話してやるからなー!」
シンドバッドはレイを抱えたまま、紫獅塔に向かった。