第4章 銀蠍塔
翌日、レイが政務室へ行くと復活した文官達に見事に土下座をされた。
レイ「・・・?」
文官1「自分たちが不甲斐無いばかりに、レイ様にご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした!!!!」
と、今にも打ち首をしそうな勢いで謝られ、レイはこの日の政務室への立ち入りをご遠慮された。
ジャーファルにも、「私は一緒に行けませんが・・・王宮内を探検してきてはどうでしょう?」と言われてしまい、仕方なくレイは中庭で午前中を過ごし、今はぶらぶら歩いているところである。
「お?レイじゃねぇか。なんで一人なんだ?」
と声を掛けられ、レイが振り返るとそこにいたのはシャルルカンだった。
レイ「・・・ママに、王宮探検しておいでって。」
シャル「・・・・あー、それでここまで来たのか。」
レイは知らない内に白羊塔から銀蠍塔まで来ていたのだ。
レイの様子を見たシャルルカンはというと・・・
シャル「よし、レイ!俺と勝負しねぇか?」
レイ「・・・?何を?」
シャル「剣だよ。やった事ねぇか?」
そう言って自分の剣を見せるシャルルカン。
レイ「・・・分かった。」
シャル「・・・え、マジで?」
レイ「やる。」
どうやら本当に戦う事になるとは思ってもみなかった様だ。
夕方になり、あと一刻ほどで終業の鐘が鳴るだろうという時間に、武官がジャーファルのいる政務室に入って来た。
ジャ「どうかしましたか?・・・まさか、また王が逃げ出したんですか!?」
武官2「いえ、そうじゃないんですけど・・・!いや、間違ってはいないんですけど!!」
武官1「レイ王女が、シャルルカン様と手合せとしていると聞いた王が銀蠍塔に乗り込んでしまい・・・!!」
ジャ「・・・レイとシャルルカンが!?また何でそんな事になってるんですか!?」
武官1「私たちがお昼休憩を終えて戻った頃にはすでにいらっしゃったので、詳しい事は・・・。」
いてもたってもいられなくなったジャーファルが取ったのは・・
ジャ「少し抜けます。その間は頼みましたよ!!」
レイだった。