第2章 新生活
夜になり、宴は更に賑わっていた。
ピス「レイちゃん!この果物も美味しいよ!!」
ヤム「こっちのお菓子も美味しいわよ~!」
と、いろんな食べ物を勧めてくる二人を何とか丸め込んで逃げ出してきたレイ。現在、マスルールの膝の上でフルーツジュースを飲んでいる。
マス「・・・食べないんスか。」
レイ「いっぱい、食べた。」
ジャ「レイ、何か飲み物はいりませんか?そろそろなくなってしまいますよ。」
レイ「赤い・・あのジュース。」
ジャ「・・・レイ、あれはジュースじゃなくてお酒なんですが・・・。」
レイ「・・じゃあ、同じのがいい。」
ジャ「わかりました。取ってきますね。」
レイがそんな風にのほほんとしていると・・・
シャル「レイ~!楽しんでるかぁ~??」
と酔っ払いながらレイにちょっかいをかけに来たシャルルカン。
マス「・・・先輩、酒臭いっす。」
シャル「お前も飲め!!旨いぞ!!」
マス「・・・はぁ。」
シャル「そういやレイよ、王サマと一緒にいねぇのか?あんなに王サマデレデレしてたのに。」
バキッと・・・何かが壊れる音がした。シャルルカンが音のした方を見ると・・
ジャ「・・・シャルルカン?レイと何をお話していたのです?」
と、笑顔でグラスを素手で握りつぶした我らがシンドリア国の政務官殿、ジャーファルがいた。シャルルカンはその光景に青ざめながら
シャル「い、いやー・・・王サマ、あんなにレイにデレデレだったのに一緒にいないんだなーと思いまして・・・ハハハ・・。」
ジャ「・・・シンと一緒に・・ねぇ。あの状態のシンにレイを与えるつもりですか。」
とジャーファルの指差す先には酔っ払い、多くの女性に囲まれたシンドリア国の王、シンドバッドの姿があった。
シャル「あぁ・・・。」
ジャーファルの行動によって酔いが冷めたであろうシャルルカンはシンドバッドの様子を見て納得した。
アレは小さな女の子には見せるものじゃないと。
ましてやその人の子供に。