第3章 自炊担当してます。
『翔ちゃんすごく嬉しそう…』
翔ちゃん、コートでそわそわしてる…。
潔子「念願のエースと対決だもんね」
『そうですね、憧れに憧れたエースと対決ですもんね!』
…そういう潔子さんもすごく嬉しそうな顔してるんだけどね!
ピーッ
試合開始の笛がなると早速菅原さんの速攻…!
日向「菅原さんの速攻っ…!」
澤村「そらお前、スガだって歴としたセッターなんだからなっ」
『大地さん嬉しそう…』
潔子「本当は澤村も菅原のトス打ちたいんだろうね」
『ですよね…!私もはやく見たいです…!』
大地さんもだけど、菅原さんから旭さん…を見たい。
潔子「東峰も…きっと菅原のトス打ちたいはずだよ」
『潔子さん…』
潔子「それに……」
『?』
潔子「私も見たいから…打ってほしい」
潔子さんが…!!あの潔子さんが応援ちっくなことを…!
潔子「ちょ、瑠璃ちゃんなんで涙目なの!?」
『あ、その…目にゴミが…入って…』
我ながらあからさまな嘘だけど…。あの潔子さんが菅原さんからの旭さんのスパイクを見たいって…!!
本人達に聞いて欲しかった…。絶対みんなも泣くよ…。
旭さんが部活に来なくなってしまった原因の伊達工戦のとき…。伊達工の鉄壁って言われているブロックにつかまってしまった…。そのせいで試合に負けてしまったって自分を責めてた。
ノヤッさんもノヤッさんで、ブロックのフォローが出来なかたって自分を攻めてた。
菅原さんもエースである旭さんに頼りすぎたって自分を攻めてた。
誰も悪くないのに、自分ばっかり攻めて。チームプレーなのに、自分一人のせいにして。
そんな三人を見ていたのに…何もしてあげられなくて…。マネなのに、みんなを支えないといけないのに…。
潔子「瑠璃ちゃん」
『はい?』
潔子「前も言ったけど、瑠璃ちゃんのせいなんかじゃないからね?こういうことは本人達で解決しなくちゃいけないから。瑠璃ちゃんは何もしないのが正解だったんだよ」
『潔子さん…』
…本当、潔子さんには頭が上がらないなぁ。…優しいな。
潔子「ほら、泣かない」
『な、泣いてません!』