第14章 冬休み
階段を上がり廊下を進んでいく
俺達が泊まっておる階の休憩スペースへと向かっている
そうすれば何かと都合がいいからじゃ
『ッ!』
仁「!」
握っておった手が突然消えた
俺はすぐさま振り返ると氷月がその場で膝立ちをしておった
両手を地面につけて寝転ぶのを我慢しておるようじゃった
仁「氷月!」
小さい声で氷月に聞こえる声で近寄る
両脚は大きく笑っており立てる状況ではなさそうじゃ
仁「移動するナリ」
此処は悪まで廊下である
誰かに見られればマズい
俺は氷月を抱えて自分達の泊まっておる階の休憩スペースへと向かった
部屋からはそこまで離れてない
休憩スペースへたどり着き自販機の横に設けられているベンチへ座らせる
抱えておる時に分かったが上着を羽織っておらんかった氷月の体は冷たく
体全体が小刻みに震えておった
俺は自分の羽織っておった上着を脱ぎ氷月の肩に優しく乗せる
ビクッと大きく体が揺れたのを見ると何かに怯えているような感じもする
俺はようやく氷月の隣へ腰かけ、この前のように優しく足を撫でて行く
俺の手の温もりを与えるように、安心させるように
?「仁王、氷月」
仁「?、幸村か」
同じく休憩スペースにやってきたのは幸村じゃった
幸「どうしたんだい?」
仁「少しな、待っとくれ」
幸「わかってるよ」
そう言うろ氷月の隣へ腰をおろし氷月の頭を撫でて行く
仁「大丈夫じゃ氷月。お前さんの頭を撫でておるのは幸村ナリ」
小刻みに震える体と大きく震える足は少しずつ収まって行く
流石に寒いこの場では身震いをしておるように変わる
氷月の周りにあった負の雰囲気もいつの間にか消えておった
『すいませんでした。ご迷惑をお掛けして』
震える声は寒さから来ておるのか怯えてるのかわからんが
しっかりと言葉を紡ぎだすその氷月の姿にホッとする
多分じゃと思うが氷月を1人にしておくと何か危険な気がする
闇に溶けていくと言うか、また縛られると言うか
レインのあの言葉が正しいのであれば
今後も夜が眠れず足元にポッカリと開いた穴に落ちて行く
そしていつかは自分で戻る事が出来なくなる、と