第10章 知らないフリ
仁王側
丸「仁王より詐欺師向いてんじゃね?」
ジャ「俺もそう思うんだが...」
仁「じゃろうな」
学校が終わり俺達はいつも通りに河川敷のコートに向かう
真「白川氷月は白川氷月ではないのか?」
柳生「聞かれている意味がわかりませんね」
柳「裏を返せば、本当の自分を気づいて欲しいのではないか?」
幸「本当の自分ね。確かに何時も何かを隠しているみたいだからね」
テニスをしておる時の本当の自分を見つけて欲しいなら
俺達とテニスをすればええ話しじゃ
じゃが、こうやって聞くとなると
仁「公にされとうない、とかのう」
柳生「どう言う意味ですか?仁王君」
仁「本当の自分を見つけて欲しいなら俺達と普通に接すればええだけの話じゃろ?」
柳「確かにな。こうやって静かに俺達が動き回れば、一般公開までとはいかないが公になる事はないだろう」
丸「密かに探せって事かよぃ」
ジャ「だったら期間が長いのもわかるな」
真「では、彼女の何を見つければいいのだ?」
疑問が疑問を呼ぶ
あの時の、ゲームを吹っかけてきた時の目は
何か期待と拒絶の色が見えたような気がする
じゃが、あの影夜と白川が結びついているのは俺だけじゃ
彼女は自分で言わない限り何時も通りじゃろうな
何よりも真剣に語りかけてきよったのが一番に引っかかる所じゃな
幸「さて、仁王。影夜については何か知ってるんじゃないか?」
仁「...なんの事じゃ?」
柳「昨日の帰り道は一緒だっただろう?もしかしてと思っただけだ」
仁「俺は何も知らんぜよ。途中の本屋で分かれたナリ」
丸「そう言えば、アイツも俺達と一緒の学年なんだよな?」
柳生「それがどうかしたのですか?」
丸「いや、俺達みたいに出校日かなって思ってよ」
ジャ「...そういやーな」
柳「ここら一帯で出校日が設けられているのは立海くらいだ。優真も出校日で午前は学校に出ているため影夜が来るのは午後からになるな」
丸「そっか」
幸「そして朝からいれば立海の生徒ではない事がわかり、出校日に出ていれば絞れると言う事か」
真「だが、俺達が出た時間は遅い。彼が先に来ていてもおかしくはないだろう」
仁「そうじゃな」
アイツは今日も早く出て行ったしな
何を考えておるんじゃ?