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古きパートナー

第2章 一度目の春


白川側

正門にあった戦場をなんとかかわして下駄箱に着いた

よくもまあ、こんなにも活動できるのだろうか

そんなことを思い、靴を履き替え教室に向かった

教室には、まだ1人かしか来ていないようだ

僕の隣の席に座っている

僕は席に着き鞄から本を取り出す

本を机の上に置き

ポケットに手を入れようとしたときだった






柳側

やはり俺のデータに間違いはなかった

朝練が始まるよりも早く登校すれば勧誘に捕まらない確率は23%

時々イレギュラーがいたりするからな

今年の確率はやや高いな

そんなことを思っていると誰かが教室に入ってきた

白川は俺の隣に座った

ちょうどいい、精市の所に行こうと思ったが少しデータでも集めてみるか

柳「おはよう。白川」

『?おはようございます、柳君でしたでしょうか?』

昨日の自己紹介を聞いていないと思ったが案外聞いているのか

柳「ああ、そうだ」

『何の御用でしょうか?』

柳「正門から入ってきたのか?」

『はい、そうです』

ほう、あの戦場を堂々と歩いてきたのか

中々やるようだな

柳「本を読むつもりだったのか」

『はい、そうです』

物理学の本か

『苦手ではありません、好きなので読むだけです』

俺の聞きたいことまでわかったのか

しかし、表情がない

仁王の言った通りだな

柳「物理は好きなのか?」

『そうですね、しいて言えば計算が好きですから』

柳「成程、では少し時間を貰ってもいいだろうか?」

『構いません。暇つぶしに読む本でしたから』

そう言うと白川は本を鞄にしまった

柳「質問してもいいだろうか」

『質問ですか、構いません。自分に答えられる範囲でしたら』

柳「では、さっそく。白川は高校から近い所に住んでいるのか?」

『はい。そこまで近くもないし遠くもない場所に住んでいます』

柳「そうか。次の質問だ。中学は何処に通っていた?」

『それは......』

扉が開いた

そこには仁王が立っていた

どうやら用事のようだな

柳「すまない。用事のようだ」

『?そうですか、わかりました。そちらを優先してください』

柳「感謝する」

俺は仁王の立っている扉を出て教室を後にした
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