第2章 一度目の春
仁王側
今日から1週間正門から下駄箱にかけて部活の勧誘が行われておる
そんなんに捕まりたくもないし部活は昨日顧問の先生に入部届を出してきた
交差点につくと横断歩道を渡り切った白川に出くわした
白川側
?「のう、白川」
急に声を掛けられた
声のした方を振り返ると昨日話した仁王が立ってた
『おはようございます。何か御用ですか?』
仁「おったんで話掛けただけじゃ。ついでに一緒に登校しんか?」
まあ、登校ぐらいいいかな
どうせイヤホンで音楽を聴きながら行こうと思ってたし
『いいですよ』
仁「じゃあ、行くぜよ」
仁王側
さーて、捕まえたのはいいんじゃが
なんも話掛けてこんな
無口無表情なのか白川は
仁「今日から戦争があるのは知っているか?」
『ええ、なんとなく。部活動の勧誘が始まると思います』
仁「よーく、知っとるのぅ」
『友達が教えてくれました』
友達
そういやーあの後はどうしたんじゃろうな
赤也も昨日は喧嘩があったといっとるし
と言っても一緒の学校ではないじゃろうが
話題もないし、聞いてみるか
仁「その友達は昨日の学校で喧嘩でもしたんか?」
『ええ、何か知っているのですか?』
......マジかよ、白川の友達も立海なのか
しかも、中学生とは
仁「中学におる部活の後輩が言ってきたんじゃ」
『そうですか』
仁「なるほど、お前さんが喧嘩を止めた超人か」
そう、赤也が言うには5人で囲んで暴行をしているのを1人で止めた超人がおったとの話だ
5人はその超人に殴り掛かったが
全ての攻撃をかわし、しかも相手が体力がなくなるまでよけ続けたらしい
聞いとるだけでも超人じゃな、本当に
『止めたのではありません。相手が勝手にダウンしただけです』
仁「プッ、ハハハハ。こいつは面白いな」
『正しいことを言っただけです』
仁「ん、学校が見えてきたのう」
『そうですね』
仁「裏門から入らんか?」
『いえ、僕は正門から行くので、失礼します』
仁「ま、待たんかい!」
と言って白川は正門から入っていった
?だれも白川に気づかんのか?
影が薄いのか
堂々と歩いているのに誰も話掛けんな
これもまた、興味深い