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古きパートナー

第2章 一度目の春


台所から都美子さんが2つの弁当箱を持ってでてきた

僕らはそれを受け取った

上風「いってきまーす」

『行ってきます』

母「いってらっしゃい」

僕らは家を出て学校へと向かった






優真の通っている中学校前の交差点で別れる予定だ

上風「なあ氷月」

『なんでしょうか?』

いきなり話掛けてきたので少し驚いた

上風「俺、高校ではテニス部に入りたいんだ」

『どうしていきなりテニス部に入りたいのですか?』

上風「うーん、昨日こともあるけど氷月に見ていてほしいんだよ」

『それは友達としてですか?それともコーチとしてですか?』

上風「どっちもでもあるんだ」

『僕はテニスなんかやりたくありません』

上風「そんなの知っている。だからマネージャーとかからの視点でもいいから一緒の部活がしたいんだ」

『マネージャーですか』

帰宅部に入ろうと思っていたがマネージャーとは盲点だった

確かにそれだったらテニスをしずにテニスを見ることは出来るな

だが、これから慌ただしくなるのに帰りまで遅いとみんなに迷惑をかける

だから

上風「俺たちは連絡を1本でも入れてくれば迷惑だなんて思わないよ」

優真は笑って言ってくれた

上風「あと、その無表情はいいかげん見飽きたぞ。少しくらい笑ったり怒ったり泣いたりしてくれよ」

優真は僕を見直して言った

僕は小さい頃から無表情だったらしい

らしいと言うのは記憶があまりないのだ

覚えている事は中学に入ったときから現在までしか覚えていない

事故にあって記憶喪失になってしまったのだ

上風「まあ、しかし、その、なんだ」

『早く言ってください。交差点が見えてきましたよ』

上風「あ、えーっと、お、お前なら大丈夫だよ」

『急にらしくないことを言わないでください』

優真は顔を赤くして言っている

恥ずかしかったようだな

上風「う、うるせぇー」

『はいはい』

僕らは信号を渡ったあと優真と別れた

今日から正門付近では戦争が起きているらしい

うーむ、気配を殺していけば下駄箱に行けるかな
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