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古きパートナー

第7章 連続の厄日


仁「昨日越してきたわりには綺麗じゃのう」

『元から物がないですから』

ドアを開けて立っていたのは

隣の住人の仁王君だった

仁「さっそくシーツを干すのか」

『昨日は干していませんから』

仁「新しく買ったやつか?」

『昨日のは家にあったのを借りました』

仁「そうなんか」

『それで、今8時になったのですが、何か御用ですか?』

仁「まあな」

仁王君はソファーに腰かけた

僕は毎朝飲んでいるコーヒーと2杯分淹れる

『どうぞ』

仁「お、悪いな」

『それで、用事とは?』

仁王君はコーヒーを一口

仁「これ、お前さんが淹れたんか?」

『僕以外に淹れる人はいないと思いますけど』

僕も一口

仁「うまいな」

『ありがとうございます』

仁「そんでなんじゃが」

『はい』

仁「改めて聞くが、テニス部の選手にはならんのか?」

『なりません』

即答する

仁「あそこまでプレーが出来てるんじゃ、俺達の物理的戦力になって欲しいんじゃ」

『僕はテニス初心者です。皆さんの足を引っ張るだけです』

ちまちまとコーヒーを飲む

仁「うちの魔王と参謀によると、初心者ではないと聞いた」

『どこからわかった事ですか?』

とういうか魔王って誰?

なんとなく想像出来るが

仁「お前さんの動きには無駄が多く含まれていた。じゃが、多く含みすぎたんじゃ」

『初心者は無駄が多いですよ』

仁「決定的な事を1つ」

仁王君の顔が変わった

真剣な顔になっている

仁「うちの現部長のスマッシュを打ち返したやつはおらんぞ」

『!』

あの程度のスマッシュを誰も打ち返せないのか

『幸村君も?』

仁「ああ、条件がそろえば返せるがのう」

あー、まーたやっちゃった

『......』

仁「これはペテンでもなぜよ」

そんなの事は表情を見ればわかる

『はぁ。中学の時に体育程度でやっただけです』

仁「そんな事はないじゃろ。むしろ大会とか出てないか?」

『そんな余裕は中学ではありませんでした。精神的に』

仁「はぁ、すまんかったな。尋問のような事をして」

『慣れているので大丈夫です』

仁「慣れとる?」

『着替えてきます』

僕は立ち台所にコーヒーカップを置く

仁王君に背を向けたまま

『魔王さんと参謀さんはどんな事を言ってくるでしょうか』

僕は自分の部屋に行った
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