第1章 壱
それから、
お昼の休憩を挟みながら、
ライブはほぼ丸一日続いた。
そして、
最後のイベント―
レンジの特別賞品(1位、サイン色紙&グッズ各種、ハグ2位、グッズ各種、握手3位、私物に六人がサイン)をかけたじゃんけんの始まった。
歌ったり踊ったりして
汗を流しながら弘樹が舞台上から手を突き出す。
「皆!準備できた?
いくぞ、最初はぐー、じゃんけん…」
ほい!のかけ声と一緒に出されたのは…パー。
「俺はパーを出したよ!グーやアイコの人は
ごめんだけど座ってな。チョキだした人はそのままもう一勝負だ!」
弘樹の声に本当に残念そうに涙を堪える女子生徒や熱狂的なファン。勝ったのが余程嬉しかったのか
周りを気にせず【やったー!!】と大騒ぎするファン。
負けた人に睨まれていた。
ーー…
そんな事や色々あり
残り三人となった順位決定戦。
「さぁ、長らく続いてました
じゃんけん大会!いよいよ1位~3位をきめる
最後の戦いがやってきました。
っと…戦いの前に、勝ち抜いてきた
強者の名前を一人づつ聞いて行きましょー!
まず、一人目の方っ!」
お名前どうぞ、
大ファンの弘樹に微笑まれながら
マイクを渡され失神寸前な生徒、
優依は緊張しながら喋り出す。
「あ、…えーと…私は3年の優依と言います。…弘樹さんが好きです…//」
顔を赤くしながらなんとか言い切る。
真っ赤になっている優依を見ながら弘樹は
にかっと笑う。
「本当に!?
こんな可愛らしい子に好きなんて言われたら
俺てれちゃう///有難う」
そう言うと弘樹は
チュッと未だに真っ赤な優依の頬に
キスをした。
「…!!!?//////」
更に顔が真っ赤になった事は言うまでもない。