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🍊レンジ物語🍊

第1章 壱



「ゆ、優衣ちゃん…??」

おーい??
と悟空が彼女の顔の前で手を振るが
反応はない。

首をかしげて
どうしたものか考える。

悟空の困ってる様子に
様子を伺っていた恵梨香も
困りきった悟空に手招きされ
近づいて脇腹をくすぐったりしたが
怒られるどころか悟空がした時と同じ反応だった。

えぇ…?

とりあえず怒っていたわけでも
なかったとわかって体切断を
免れた(出来ると信じて疑わない)
二人はホッとしたが、新しく発生した
問題に悩み始めた。

二人で耳元で叫んだり、鼻を摘んでみたり
ほっぺたをにょーんと伸ばしてみたり
悟空の腕につけていたヘアゴム二本で
優衣の髪をチョンマゲ風にくくってみたり…

など、
色々してみたが、優衣からは
全くの無反応しか返ってこなかった。

ただ時間だけが過ぎていった。

まだ少しだけだった
夕日の赤色が空の大はんを占めて
カラスがカーやらギャーと泣き始めた頃。

「なぁー、恵梨香…?」

「んー?」

優衣ちゃん、どうしよ…??

泣きそうな顔をしながら
悟空が恵梨香の方をみた。

それに、恵梨香も泣きそうになりながら
わからん…と小さく答える

途方に暮れる二人。

こうなったら、伸紀君呼ぶしかないか…

そう二人で
動かない優衣を見て思っていた矢先。

今まで動かなかった優衣がはっと
した顔で周りをキョロキョロし始めた。

「優衣ちゃん!」


「あ、あれ?私何しとったんやっけ…?」

「うわぁ~!良かったぁ~(泣)」

さっきまでの記憶がないのか
首をかしげる優衣に恵梨香と悟空は抱きついた。

良かった、良かった!

そう言いながら抱きついてくる二人に
訳のわからない優衣は困った顔をするしかない。

「って、…あつくるしいわ!!ボケ!」

泣き続ける二人に
いい加減うっとおしくなってきた
優衣は彼らの頭をぺしんと叩く。


「いってぇ!」

「優衣ちゃん、ひどい!」

はたかれた所を両手で覆いながら
ぶーぶー文句を言い始める二人に
五月蝿い!ときれてまた頭を殴る優衣。


それから暫く説教が続いたのだった。



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