第1章 壱
「じゃんけん、ホイッ」
一方(優依)はグーもう一方(ラドゥ)はチョキ。
決着は一瞬でついた。
「おーっ!決まった!一位は3年の優依ちゃん!ラドゥ君は2位!おめでとう!!」
良の言葉にすぐに響く大量の拍手。
二位のラドゥには次々と
握手をするためラドゥの手を握る。
「いえ…弟と妹に良い手土産ができました。」
有難うございます。
グッズ各種を大切そうに抱きしめながら
ラドゥは目を細め微笑を浮かべる。
「いえいえ!どーいたしまして、
弟さんたちに宜しくね!
さて…そして一位の優依ちゃんには、
レンジのサインと…!」
勝った嬉しさと、レンジのサインに
夢見心地な優依は、急に高くなった視線に
我に返り慌てて上を向く。
そこには、弘樹の姿が…。
びっくりしてると弘樹と目が合い。
「本当はハグだけだったけど
オマケで弘樹からお姫様抱っこをプレゼント♡」
「おめでと。゚.+゚。」
至近距離で笑われ
一瞬で頭が真っ白になった。
意識が薄れてゆくなか、
ドタバタと
周りが騒がしい気がしたが、
今の彼女にはそんな事を考えられる余地はなかった。