第10章 10話
「…チキンドリアを頼んだかと思えば唐揚げ、ポテト、デザートにアイス付きティラミス。それと俺の頼んだピザを一切れ…炭水化物ばかりだな。太るぞ」
「…いいの、成長期だから。というか私も食べてるけど赤司も結構食べてるよね…」
「俺は運動をするし、サラダも食べているがな。」
私たちが言い合いを繰り広げていると、隣の席にいた高校生のカップルがいつの間にか帰っており店員がお皿を片付けていた。
「大ちゃん今日は人が多くてほんと大変だったねー。」
「だりぃー。つか何分待たされたと思ってんだよ、あのクソカップルさっさと食べ終わりやがれって。」
店員がお皿を片付け、机の清掃をした後やって来た客が私たちのすぐ隣に座った。
「あ!楓ちゃん偶然だねー!!」
「ほんと。さつきちゃんと青峰くん、こんにちは」
予想外の展開に赤司と青峰くんは結構驚いていた。お互い立場上敵同士にあるのですごく素っ気ない挨拶を交わしていた。
「赤司くんと楓ちゃんはデート?」
「はっ。赤司がデートかよ似合わねぇ。」
赤司は青峰くんにそう言われ眉をピクピクさせ少しイラついていた。
「俺たちはお前たちと似たような関係だとは思うが、俺たちはお前達と違ってお互いの事をわかっているし、何より進展しているよ。」
「えぇ!?それってやっぱり…」
「あぁあぁー!さつきちゃんそれ以上はもういいよ!赤司もむきになり過ぎだよ!!」
「まぁなんでもいいけどよ。赤司ボール持ってただろ?後でバスケしようぜ。」
「嫌だ。」
「何でだよ!!」
「桃井が言っていただろう?俺たちはデートの最中何だから邪魔するな。」
「ちょっと!赤司!!」
「はぁーつまんねぇ。…黄瀬でも呼ぶか」
そして、数分後に店に呼び出された黄瀬くんは物分りがいいのか黒子くんと火神くんを連れてやって来た。
「あ、赤司っちと山吹さんどうもっす。青峰っちに呼び出されたんすか?」
「嫌、俺たちは別件だよ。」
「赤司くんはデートに忙しいんですよ。」
「赤司ってデートとかするのか?」
デートデートデートって恥ずかしいからやめてほしい。火照る顔に氷の入ったお冷を当てて冷ます。