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続・厄介な天帝さん

第9章 9話


赤司の視線が段々と地面に落ち始める。私はそれを食い止めるために握っていた手を離しぐいっと下がった視線の分だけ赤司の頬を掴んで引き上げた。すると、少し驚いた反面呆れた様に笑う赤司と目が合い掴んでいた頬から手を取られ握られ直した。



「俺は子供の頃からずっと……山吹が好きだ。」


そう言うと、強引に唇を塞がれた。目をそっと開ければほんのり赤い赤い頬が見える。ちょっと思考が斜め上なだけに照れ隠しの仕方もある意味予測不可能。
触れるだけだけのキスは長い様で一瞬に感じられた。まだ口内に残っていた飴はさっきまで酸っぱかったのに今はとても甘く口の中で溶ける。
そっと唇は離れた。

「山吹の返事、聞かせてくれないか?」

そう言うと彼は私がした様にではないが私の逃げ場を阻む様に私のおでこをおでこでくっつけた。
ずるいのはさっきよりも近くて顔の汗が滲むのも良く見えてしまうこと。


「……私も、ずっとずっと……好き大好きだよ。」

そう言うとお互い見つめあった目がお互いの赤い顔を写してしまって恥ずかしくって2人で小さく笑った。
すると、赤司は私のおでこにキスを落とすと徐に立ち上がった。

「ちょっと待ってろ。」

そういうと小走りで何処かに行ってしまった。
すると、赤司で見えなかったが正面の塀の裏からざわざわと人の声が聞こえた。

「すまない、ちょっとだけ行ってくる。」

後方で足音がして振り向くと赤司が買ったばかりのミネラルウォーターを持ち立っていた。赤司は正面の塀に向かって足音を潜め歩き出した。
すると、塀の前で立ち止まり中身を徐にひっくり返した。

「冷てぇっおい、赤司てめぇ何しやがんだこら!!」

「あぁ、俺の2代目のスマホが動かないっす…動かないっす!!!」

「俺のお菓子もべちゃべちゃー」

「だから行ったじゃないですか。僕までとばっちりを受けましたよ。」

「ふん。だからお前らはダメなのだよ。今日のラッキーアイテムは雨傘なのだよ。」

その後は1対5の命懸け鬼ごっこが繰り広げられていた。久々のメンバーにはしゃぐ6人にを後からこっそりやって来たさつきちゃんと笑って見ていた。
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