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続・厄介な天帝さん

第9章 9話


試合後、ミーティングの為に控え室に行った。

そこで、軽く引退式を行い一応レギュラーとベンチの一部メンバー以外は解散となった。
あとは決勝を見るもよし、帰ってゆっくりするもよしと言うことでマネージャーの先輩達のほとんどは帰って行った。

私はもちろん残るつもりでいたので、高尾君や緑間君と残り観戦することにした。

私たちが観戦する頃には既に第二Qの終盤だった。

点数差はまだ対して無いものの僅かに洛山がリードしていた。

朝から頭痛と目眩は少々あったものの気にする程ではなかったのに段々と悪化して、今では試合観戦をしている場合じゃない程になっていた。

高尾「あぁ、誠凛に期待してたんだけどなー。山吹ちゃんはどう思う?山吹ちゃん!?」

私は隣の席に座っていた高尾君に話を振られた時には試合を見ずに蹲っている状態だった。
余りの頭痛と目眩とで頭が重くてあげられる状態ではなかった。
それに気がついた高尾君と横にいた緑間君に何か話しかけられている気がしたがそこからは余り記憶がなかった。


私が次に目が覚めた時は和室にいた。

熱で重たい身体を起こすと体のしたには2段重ねになった座布団がフカフカになるまで敷き詰められ、その上に寝かされていたようだ。
着ていた毛布をどけると少し肌寒くも感じたがさっきまでの目眩や頭痛からくる辛さみたいなものはもう余り感じなかった。それよりも自分の身体の熱さにぼぅっとする。

おでこに手を当てると冷えピタが貼ってあって熱がわからない。
自分のおでこに冷えピタが張っていることさえわからなくなるほど感覚器官が鈍っているようだった。

ポケットにある携帯を取り出すと見知らぬ誰かからメールが入っていた。本来なら迷惑メール登録をするところだがそれをする程身体にはエネルギーが残っていない。
時計を見れば私が記憶を失ってから30分程経ったみたいだ。
この時間なら決勝は既に終わっているし、それにもうじき閉会式も終わる頃だ。

私はまた間に合わなかったのかな。

試合の結果は自分の目で確かめるつもりだったのに自分で勝手に台無しにして、最悪だ。

私は起き上がり、壁につくように置かれた荷物と扉のそばに置いてあった靴を履きフラフラする頭を押さえながら部屋を後にした。
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