第8章 8話
明日の相手校の偵察も兼ねて試合観戦をしていた後、学校にて。
私「今日はこれで終わりかぁ。あと4回勝ち上がれば全国の頂点とかちょっと考えらんないね。」
今日の試合は終わり。取り敢えず学校の体育館に戻って来ていた秀徳は明日のために軽く調節を行いミーティングのためにビデオシアターに移動中だった。
高尾「まぁ、でも俺もあんま実感ねぇーわ。だから、真ちゃんとか他のキセキの世代とかどんな気分なんだろうとか思ってたけど案外普通だったわ。」
私「そうだよね、私も身近にいながら深くは考えたことなかったけど案外そうだよね。」
高尾「んで、その身近にいた人と今日は何があったの?」
高尾くんは軽く笑うと私の正面に立った。
私「別に…」
私は口ごもり、さっきあったことを思い出した。
敢えて口にはしなかったものの考えれば考えるほど何だか自分が悪いのにあいつに対して腹が立ってきてわけがわからなくなった。
高尾「別にって…エリカ様じゃないんだからさ。」
そう言って前で通せんぼしていた高尾君を押し退け、先を歩いた。
宮地「お、バカップルは喧嘩別れでもすんのか?」
高尾「バカップルなんかじゃないっす。それに自然消滅しますよそのうち。」
木村「強く生きろ、高尾。」
大坪「気にすんな、お前ならそのうち彼女出来るさ。」
緑間「ふん、馬鹿め。」
宮地「ざまぁ。」
高尾「木村さん、大坪さん……は、いいとして後の二人コラ。」
レギュラーの会話は小さくてあまり聞こえなかったが敢えて拾うほどのものでもなかったので無視して先を歩いた。
こんな時に申し訳ないけれど、バスケよりもチームよりもあいつの事で頭が沸騰しそうだ。
私はミーティングルームに頼まれた資料を持って行けば取り敢えず私の仕事は終わりなので、私もビデオシアターに入りミーティングを始める部員や記録を書き起こす偵察班のマネージャーの先輩や同級生を横目に今日の事で悶々としていた。
いつの間にか終わっていたビデオやミーティングの片付けが始まりウトウトしかけていた私のほっぺを先輩が叩いて目を覚まさせてくれた…
私「先輩、普通にしてくれたら起きました。」
私は起こり気味に言うと先輩も先輩で私を睨むように見ると私の目の前に片付け終わっていないタオルと空気入れとスコア表とを目の前において帰ってしまった。