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続・厄介な天帝さん

第8章 8話


私たち秀徳は2試合目から試合が始まる。

相手は強豪ではあるが戦力かつ経験値を踏まえると秀徳がやはり有利かと思われる試合になりそうだ。

予選といえど全国大会なので気合の入ったうちの学校は2軍3軍も連れての応援に何だか保護者がたくさんいるような気がしてむず痒かった。

そうして、予想通り第一試合を勝ち上がった我が校だった。

私は他校の試合結果を確認するためトーナメント表を確認すると、やはりと言っていいほどキセキの世代要する学校が上がってきていた。
となるとキセキの世代とやるのも時間の問題。正直、勝つか負けるか瀬戸際の試合なんざ誰もしたくないと思うのが一般的なところだろう。しかし、それは主観者の話であり客観的に見れば結果のわかる試合ほど面白味のないものなどないと思うはず。私はその一員であるのが証拠だ。
現にインターハイでは黄瀬くんと青峰くんの試合には客がたくさん集まったとか。
当たって欲しくないと思いつつも当たって欲しいと思うのは私が傍観者だからなんだろうけど。
なんとなく秀徳がこのまま上手く勝ち上がったとして当たるであろう相手チームを辿れば恐ろしいことが判明してしまった。
準決勝ではおそらくあいつのチームとやることになるんじゃないか。
そう思い、今度は反対の方から指を動かしていたら不意に誰かの手とぶつかった。

「おはようございます。」

小さな声でこの口調にこの雰囲気、以前よりは頼もしくなったように見える黒子くんがそこにいた。
内心驚いたが、ここは人が多いため何とか声を殺した。

黒子「山吹さんのところも勝ち上がりましたか。」

私「そーだね、黒子くんもおめでとう。」

そう言って赤のペンでなぞられたトーナメント表をみた。

私「一試合目桐皇だったんだ!」

自分で言ったことに確かに驚きはしたがそれよりも同じ都道府県で当たることなんてあり得ないのに驚きだ。

黒子「はい、ちょっと例外で初戦からいきなり青峰くんとやるとは思っていなくて…いきなり窮地に立たされた気分でしたよ。」

私「そーだよね。…本当におめでとう、私たちが当たるとすれば決勝か…お互い頑張ろうね!」

黒子くんと別れ、チームの控え場所に戻ればレギュラーは次の相手校の試合観戦に行っているようだった。


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