第7章 7話
そして、迎えたテスト当日は思いの外結果は残せなかった物の今までと変わらなかったのでまぁ、よし。
隣の高尾君はと言うと
高尾「まぁ、こんなもんっしょー。」
緑間「だからお前はダメなのだよ。」
常に人事を尽くし上位をキープし続ける緑間くんに駄目出しをもらってはいるものの彼も彼なりに頑張った結果と見ていいのかな。
キーンコーンカーンコーン
HR終了の合図だ。
私たちはたった今配布された成績表をしまい、鞄を肩に担ぐと急いで教室を後にした。
「楓たちって明日から公欠で休みなんだよね、授業のノート任しといて!!」
クラスで私の親友と呼べる絶対的信頼を置いている友達が私に話かけているのを聞き、教室を出ていった2人を見送り私は立ち止まった。
私「ありがとう、この埋め合わせはまたするから!」
そう言い残すと律儀な友達の謙虚な言葉を背に私は教室を飛び出た。
体育館にはもう既に部員達がアップをしていて、私たちのマネージャーの先輩方も必死に働かされていた。
いつもより忙しい動きを見ていれば明日から本格的に決戦なんだと言うことを伺えさせられた。
「こら!山吹動け!」
私がぼうっとしていると先輩に喝を入れられたので慌てて私も準備に取りかかった。
コートではレギュラー達が補欠メンバーを交え試合さながらのミニゲームを行っていた。
いつもなら笑い声が聞こえるコートも今日はピリピリとした空気に脅かされていた。
それもそのはず、全員が一分一秒に全神経を注いでボールを追いかけ必死で戦っていた。
それはキセキの世代と呼ばれた緑間くんも例外ではなかったが、彼は何だか殺気だっていたように見えた。その様子に私は少なからず心強いと思ってしまった。
やはり、彼はチームの主軸なんだと改めて実感してしまう。
高尾「真ちゃんもっとパス回してもいいんじゃねーのか。」
緑間「そうか。」
高尾君はそんな彼に極力フォローと指摘を交えながらコミュニケーションをとっていた。その様子は驚きの反面微笑ましかった。
私が口元を緩めていると休憩に入った宮地さんに話しかけられた。
宮地「前は生意気な奴だと思ってたけどあいつらやっぱすげーな。ま、緑間は元からとしても山吹ちゃんの彼氏は最近よく思うわ。」
私「そーですね。」
宮地「あ?なんだノロケか?後で高尾処刑だ。」