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続・厄介な天帝さん

第7章 7話


実渕さんからメールが届いた日から数日後、今日はテスト勉強をするために私はとある人の家に来ていた。

私「お邪魔します。」

「どーぞ。」

私が声をかけると中から綺麗な女の人の声が聞こえて来た。

「ごめんなさいね、部屋片付けてると思うのよね。リビングで待ってて貰えるかしら?」

私「あ、わかりました。ありがとうございます。」

玄関は広く独特の匂いがする家、自然と不快にならないその香りが私の鼻を擽る。
彼の匂いだとわかる。

私は言われた通りリビングのソファで待っていると上でどっかんと音が聞こえた。

「もぅ、あの子なにやってるの!」

彼の目元によく似た目と純粋な漆黒の黒い髪は母譲り何だなと思わせる。

高尾「ごめん今終わったから!」

いきなりドタバタと階段を下りて来たのは高尾くんだった。
今日は彼と2人で勉強する予定になっていた。
最初は男子の家で、と渋った私もお母さんが居るからと言う条件の下了承した。

高尾「母さんジュースとかある?」

「リンゴジュース入れといたわ、クッキーも出しといたから。これ、持って上がってちょうだい。」

高尾「あんがとー。」

「あ、そーだ。山吹さんかずに何かされたら顔面パンチしていいからね!」

私「いや、でも…。」

高尾「母さん、俺を信じて!!」

軽い冗談で笑いあったあと、私はリビングで彼の母に一礼すると階段を上がる高尾くんの後についていった。

高尾「どうぞー。」

高尾くんの部屋は何というか男の子らしかった。
全体的にブルーで纏められた部屋は壁に沢山の賞状が額に入れられて飾られており、机の上にはかつてのチームメイトと撮ったであろう写真も飾られてあった。

高尾「その表彰状、だいたいは関東大会とか結構でかめの大会のなんだけど準優勝以上の実力残せたことねーから、ここにないっしょ?」

そう言われて見てみればどれも準優勝か3位、そんな物ばかりだった。

高尾「同じ世代でキセキの世代の右に出れる奴なんていなかったんだよな。」

高尾くんは悔しそうに歯を噛み締めた。

高尾「だからってこのまんま引き下がるのも癪じゃねーからバスケを辞めてねんだよなー。あー負けたくねぇ、くそっ意思が揺らぐ!」

そう言って高尾くんは私を抱きしめ額にキスを落とした。


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