第6章 6話
赤司「お母さん。…僕の、味噌汁に、、ワカメ入ってる。…」
赤司はワカメが大嫌いだ。
嫌いといえど、ただ単に食べれるけど余り好きな味ではないから食べたくないからという嫌いの程度ではない。
嫌いの余り口に含んだらプルプルと振動しだし嫌悪感に泣き始め、最終的には吐くといった具合である。
その時は余り泣いている姿を見せたくなかったのか極力泣くのは何とか堪えて震えていた。
赤司母「おかしいな、征のだけは別でよそいだ積もりだったんだけど。」
赤司は泣きそうな顔だが1度食べたものを残す事は絶対にしない、だから今回も食べる様だった。
半ベソかきながら食べようとする彼に何となく罪悪感を感じながらもしたことに後悔をしていない私は笑いを堪えきれなかった。
私「あはははっ!」
思わず大笑いをした私にその場にいた母達は急な私の笑い声に一瞬驚いたものの特に気にする様子はなかった。
私「せいくんの味噌汁よそいだの私だよ!」
赤司「かえでちゃんのせいだったんだな。俺が嫌いなの知っててそんな事するなんて最低だよ!」
私「だって、せいくんがわーるいんだよ!!」
赤司「俺はかえでちゃんに何も意地悪なんてしてないし、俺が意地悪したとして仕返しするのはもっと良くない!!」
私「私は意地悪したわけじゃないよ、せいくんが食べれるようになればと思ってお手伝いしてあげただけだよ。」
赤司「それが意地悪って言うんだよ!!そもそもかえでちゃんだってさっき、トマト食べられないからって残してた癖に!!!」
私達は口を止めることなく言い合いをしていることに黙ってにこにこしながら見ていた。
私「もーいいよ、せいくん何て大っ嫌い絶対に遊んであげないんだもん!!」
私は食べ終わり、使い終わった紙のお皿をぐちゃぐちゃに丸め投げるようにゴミ袋に放り込み、使わなかった紙コップも丸め、それは赤司に投げつけて私はその場から逃げるように走り出した。
赤司「かえでちゃん!!!て、どこいくの!?」
母の怒声も無視し、明らかに泊まる小屋の方から外れて走り出した私。
赤司の声を聞いてもっと苛立ってか自分でもわからずに何処か適当に走っていた。
私は結果的に迷子になった。