第5章 5話
スーパーを出ると、両腕一杯に袋を持ってバスを待った。
緑間くんと高尾くんには無理行って私達の2倍の荷物を持たせたが日頃鍛えているから、まだ平気の様な顔をしていた。
高尾「そうだ!真ちゃん、BBQまで時間あるから走ってかね?」
緑間「バカ言うな、卵も入っているのだよ。」
「卵なら私が持つよ!」
そう言われては言い逃れが出来なくなってしまった緑間くんは結局宿舎までの道のりを走ることになった。
私「私も2人が迷子にならないよう付いてくよ。」
高尾「おっけー!途中でへばったら真ちゃんがおんぶしてくれるってさ!!」
緑間「高尾…」
「じゃあ、私達はバス来たからいくね。楓の荷物預っとくよ。」
私「ありがと!」
出発したバスを見送り私達もその後を付いて行くように私を含め3人は走り出した。
そして30分後、私は今高尾君におぶられながら宿舎を目指した。
高尾「おい....お..い!緑間!次の曲がり角でじゃんけんだろ!!」
2人はじゃんけんで負けた方が私をおぶりながら走っていた。
その間の荷物は勝った方が持つことになっていた。
ちなみに五回じゃんけんして緑間くんは四勝一敗、高尾くんは一勝五敗。ほぼ、高尾君におぶってもらっている。
緑間「ふん、ここからはずっと道なりなのだよ。」
私「ごめんね!」
高尾「あ、やいいぜー!!あ、くっそ緑間おいて行きやがった!!」
緑間くんは私達をほってさっさと行ってしまった。
高尾くんは走るのを辞めてゆっくり歩き出した。
また、あの日みたいに2人になって気まずくなる。
高尾「…あー…えっと…はー…」
私からは高尾くんの耳しか見えないけどほんのり赤くなっていた。
高尾「あー、今日は俺にとっていい日なんかもな…」
私「なんて?」
高尾「あ、あーいやなんでも……えーっと。あのさ、俺と付き合ってほしいんだけど。…。」
高尾くんは私をしっかりおぶり直した。
私はなんて答えを言おうか迷った。
本当は答えは決まっていた、もちろん断るつもり。
でも、ここで断ったら高尾くんは私の事嫌いになってしまうのかな。
私「私は好きな人がいるんだよ?」
高尾「でも、今は付き合ってないっしょ?」
私「でも、付き合う予定があるの!気持ちは嬉しいけど私は高尾くんの気持ちには答えられないよ?」