第5章 5話
私「ううん、私こそ周りよく見てなくてごめんね。」
黒子「…いえ。」
そういって誠凛のベンチに戻って行った黒子君はいつもより暗い気がする。
元々口数の多い人じゃないから余り何時もと変わらないように見えたけど、多分彼は今日は元気がないと思う。
私が黒子君の方をじっと見ているのに気がついた緑間くんが私に話しかけた。
緑間「さっきの試合で気づいたが黒子は今日、スランプのようなのだよ。」
私「どうしたんだろう?」
緑間「おそらく、青峰達もとい桐皇学園に大敗したのがあいつの中で大きく足を引っ張っているのだよ。」
私はその試合を見に行けなかったわけだが後日緑間くんに聞くと相当な点数の差で誠凛は負けたらしい。
緑間「だがしかし、あいつはこんなところで音を上げるような奴ではないのだよ。」
緑間くんはメガネのブリッジを押し上げると、自主練をするべくコートの方に戻って行った。
…きっと黒子くんもそうだけど緑間くんも黒子に負けたことが相当悔しかったんだろうな。
あれ以来、よく一人で最後まで残って自主練をしてるし。
「楓ー!!この後、誠凛さんとうちとで浜辺でBBQだって!!」
同じ1年のマネージャー仲間の友人が体育館に戻るなり大きな声で教えてくれた。
その言葉にあちこちで歓声が上がっていた。
「買い出し頼まれたから、1年で行ってきてって頼まれたの!!」
私「この辺お店あったっけ?」
「いや、無かったはず。だから、バスで内陸部まで行かなきゃならないと思う。」
私たち女子は1年生全員で3人だ。
3人いるとはいえ、この人数と体格そして食べ盛りの男子と考えるとどう考えても3往復では足りない。
私たちが困っていると、
高尾「俺と真ちゃんも行こうか?丁度休憩に入ったとこだし。」
緑間「何故俺も行く事になっているのだよ!!」
結局付いて行かされてる緑間くん。
最初は嫌がっていたけど、優しいのかツンデレなのかしょうがないのだよと言いながら渋々了承してくれた。
そして、今私達はスーパーにやって来た。
高尾「肉と野菜だよな、あ、真ちゃんお汁粉は荷物になるから宿舎帰ってからにして。」
緑間「自販機よりスーパーの方がお得なのだよ。」
そんな言い合いをしている2人を無視して私達マネージャーはそれぞれ目当ての品を買いに行った。