第4章 4話
高尾「おっ山吹ちゃんおはよー!!」
緑間「おはようなのだよ。」
駅に着くと2人はすでに来ていたようで待っていてくれた。
私「おはよっ、高尾くん緑間くん!!それにしても、2人はもっと遅くていいのにわざわざこんな早く来てもらっちゃってごめんね!!」
2人とも部活の開始15分前に行くようにしていたのに私が30分前に行っていることを知って私と同じ時刻に出るように合わせてくれている。
緑間「俺は人事を尽くしているだけなのだよ。」
高尾「そうそう、山吹ちゃんは気にすんなって!」
気さくな2人にはにかみながら御礼を言った。
そのあとはいつも通り電車を待つためにいつもの定位置で電車を待っていた。
私「そーだ!!昨日は結局どっちが勝ったの?」
昨日の試合とはつまり青峰くんと黒子くんの試合のことである。
高尾「あ、俺も聞きてー!!」
緑間「ふむっ。…勝ったのは桐皇学園だ。…余り気分のいい試合ではなかったのだよ。」
緑間くんは眼鏡をカチャカチャし、眉間に皺を寄せイラついた表情を見せていた。
私「てことは、黒子くん負けたんだね。…」
緑間「そうだ。…そういえばその黒子が試合後に会場の出口付近であってな山吹に伝言してくれと言われたのだよ。内容はすいません、約束を果たせませんでした。と言っていた。」
私はその言葉を泣きじゃくる黒子くんを連想してしまい、言葉の意味の重さに痛感に残酷さを感じた。
我ながら自分は酷い女だと軽蔑してしまった。
高尾「山吹?」
高尾くんが訝しげに私を見るので私は我に帰り、笑顔で緑間くんに御礼を言った。
高尾「そういえば昨日はあれから何もなかった??」
私「あぁ、駅の事だよね。んー、なかったと言えば無かったよ。」
緑間「俺と黄瀬と別れた後何かあったのか?」
高尾「いやー、それが…でもまあ山吹ちゃんが良かったならそれでいーや!!」
高尾くんはうまく緑間くんの言葉をかわし、誤魔化した。
私もそれ以上話すつもりはなく電車に乗り込んだ後は開いた席に図々しく座り船を漕いでいた。
緑間「山吹!!着いたぞ起きろ!!」
緑間くんの容赦ない肩パンチにイライラしながらも何とか自分を宥めて学校に足を進めた。