第4章 4話
それからは私も学校に行く用意をして、着替えをした。
今日は日曜日で休日だけど、マネージャーは原則制服で登校することに部の規定であるため、面倒ではあるが夏服のセーラー服の上に日焼け対策に黒のカーディガンを来ていつも部活に参加している。
私が着替え終わると既に赤司は玄関を出たところらしく、扉が開く音が聞こえた。
私もその音を聞き慌てて外に飛び出た。
部活が始まるまでの時間には余裕があったけど、久々の再開なのにこのままで別れてしまうのはなんとなく寂しかった。
赤司「山吹はまだ間に合うだろう、そんなに慌てる必要はないんじゃないか。」
赤司はそう言うと鞄の前ポケットから携帯をだし、時間を確認し、鞄にしまうとゆっくり歩き出した。
私「早く行かないと先輩に怒られるから早めに行かないと行けないの。」
赤司「それでもまだ余裕があるんじゃないか?時間にうるさいお前の事だ。概ねその時間も含めて8時で間に合う時間と決めていたんじゃないか?」
私「そ、それは部の備品を薬局で買うために早めに出ようと思ってて…」
赤司「へぇ。…僕は今の時間で開いている店なんてコンビニぐらいだと思っていたが、数ヶ月で東京も随分変わったものだな。」
私「…」
赤司は的確に私に指摘してきた。
それが余りにも当たりすぎていたため、私はうまく頭が回らなかった。
ただ、久々にゆっくり赤司と話したかったと思ってただけが何で素直に言えないんだろ。
本当はもっともっと…
私がそんなことを考えているうちに私たちはそれ以降一言も言葉を交わすことはなかった。
赤司「何をぼうっとしているんだ。…まぁいいが。僕はお前の高校の方には行かないからここで失礼するぞ。」
そう言うと振り返ることなくさっさと改札口の向こう側に消えてしまった。
私もと思い電車の定期券を取り出そうとしたしたが、肝心の鞄を忘れていたことに気づき慌てて家に帰った。
私はこの一本後の電車でも間に合うので全速力で家に帰り駅まで往復した。
私が走っていると歩道を歩いていた帝光の制服を着た男子とすれ違った。そう言えば来週はインハイだったような気がする。
青峰くんの学校と黒子くんの学校は結局どっちが勝ったんだっけ。