第3章 3話
その後、高尾くんをソファに寝かせ30分。
だいぶん疲れていたようで1度寝かせたらなかなか起きなかった。
私「高尾くん、帰ろ!!」
もう何十回と繰り返して飽きたセリフ。
仕方なく緑間くんをお店の前に呼んで潰れている高尾君を何とか起こし緑間くんに高尾くんをおぶらせ連れて帰ってもらった。
緑間「今日は朝から高尾は随分ぼーっとしてたのでな、おかしいとは思っていたのだよ。だが、こいつは選手としての自覚が人一倍ある以上休みたくないのだろう。」
私「高尾は人事を尽くしているのだよ。」
緑間「おい!!」
私「でも、緑間くんもだけど無茶して選手生命を絶つようなことはしないでね。」
緑間「当たり前なのだよ。」
それを聞いたら安心した。
でも、緑間くん達帝光出身者が体調不良で休んだのを見たことがない。さすがと言うべきだろう、自分の体調まで把握仕切っている。
緑間くんと私が駅に差し掛かった時向こうから金髪の高校生が私たちに向って走って来ているのが見えた。
黄瀬「緑間っちー!!山吹さん!!」
そう、黄瀬くんだった。
緑間「…」
私たちは他人のふりをしてその場を急ごうと決めた。
黄瀬「え、ちょ。無視!?ひどいっすよー!!」
私「ごめん、黄瀬くん。つい?」
黄瀬「ついって何すか!!…まぁいいや今から、てかもう誠凛と桐皇の試合始まってんすよ、こっから近いんで見に行かないっすか?」
誠凛と桐皇、つまり黒子くん対青峰くんの試合か。
緑間「…今日のおは朝占いラッキーアイテムは補強してあるがしかし、補正ポイントは西に進むとあったのだよ。…すまない山吹、高尾を送ってくれないか。電車代は俺が持つのだよ。」
そう言って緑間くんは高尾くんを叩き起こし、フラついている彼を私の肩に組ませ黄瀬くんと行ってしまった。
黄瀬「緑間っち、相変わらず人使い荒いっすね!!それも女の子っすよ!!もっと優しくしないと!!」
緑間「ばかめ、奴の何処が女子に見えると言うのだよ。…あの時赤司の頬がなぜ腫れていたか知っているか?」
黄瀬「え、いや。…まさか!?」
緑間「そのまさかだ、山吹がやったのだよ。…だからと言うわけではないが安ずることはない高尾もだいぶましになっていたのだよ。」
走りながら制止することも出来ず、行ってしまった2人を見送り私たちは歩き出した。