第3章 3話
私たちはマジバをでて少し歩いた所にあるカラオケ店に入った。
高尾くんがカウンターなれしてくれたお陰で部屋へすぐに案内してもらえた。
高尾「ドリンクバー付きだから、そこの階段上がってすぐの所にジュース置いてあるから。」
私「うん、了解!」
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高尾「じゃららじゃじゃじゃじゃじゃじゃじゃじゃじゃーん……バーン…ふっ。」
私「何でちゃっかり前奏とかまで歌っちゃってんの。」
高尾「えー、いーじゃんテンション上がっちゃってさー笑笑」
高尾くんといて楽しいことは多いが私と彼二人だとツッコミが私ばかりでしんどい。
私「私が次入れていい?」
高尾「おっけー!!てか山吹ちゃんて何でも歌うよな。」
私「昔結構アイドルとか好きだったその影響かな?今は何でも聞くよ。」
私が選曲したのはゆずの夏色。
ピッチを半音あげてあとはセット。
高尾「お、高尾ちゃんの出番だ。」
そう言ってタンバリンを右手に左手に水を持ちソファに立った。
高尾「山吹ちゃんも一緒にどう。」
そう言って高尾くんは私に手を差し出してきた。
私「もちろん!!」
私は彼の差し出してきた手を取りソファの上へ上がると机の上にあるマイクとタンバリン片手に歌いだした。
私「この長い長い下り坂を、君を自転車の後ろに乗せてブレーキいっぱい握りしめて、ゆっくりゆっくり下ってくー!!……」
高尾「ふぉ!!」
何だかよくわからない高尾くんの合いの手は私のテンションをおかしなぐらい跳ね上げて、つい私も調子に乗ってしまった。
私「いつか君の泪がこぼれおちそうになったら
何もしてあげられないけど 少しでもそばに…いや、ちょっ、わぁ…」
つい夢中になって歌っていたら足がソファの隙間に挟まりバランスが取れなくなって近くにいた高尾くんで体制を立て直そうと掴んだ。
高尾「え…ちょ…」
が、高尾くんもバランスを取れず2人でソファに倒れこむ形で尻餅を着いた。
運悪く高尾くんは持っていた水を自分の制服のシャツにぶちまけ、少し顔や髪にもかかってしまっていた。
私の今の体制は機から見たら完璧に高尾くんに押し倒されてるように見える状態だ。
それも私が半分起き上がってるせいか高尾くんの顔が近い。
彼の驚いた顔も鼓動も何だかよく聞こえる。