第2章 2話
黄瀬「えぇー、言えないッスよ!!」
火神「何勿体ぶってんだよ、さっさと話せ。」
高尾「なになに俺も聞きてー。」
予想以上に私の話に盛り上がってしまいそこの席だけ有名人の記者会見状態になっていた。
そんなに話してはいけない内容ではないけどこれは流石にプライバシーの侵害というやつで。
黒子「山吹さんが困ってます。皆さん席に戻ってください。」
黒子くんのおかげで人はまばらにはなったものの注目を浴びているのは変わらないようで視線が辛い。
黒子「すいません。山吹さん。」
私「いいよ、隠すほどの事でもないし。」
火神「じゃあ!!」
私「でもさすがに話す気にはなれないかな。それにインハイの舞台に行ったらわかるよ。あいつもきっと来る。」
インハイにあいつが来ること、それは確信じゃない。絶対だ。
火神「誰だよあいつって?」
黄瀬「まぁまぁ、それより俺らもう帰るっスわ。」
緑間「俺たちも帰るのだよ。高尾!!」
高尾「ほーい。」
私「そーだ、火神くん。」
火神「なんだ?」
私「東京にはもう一人キセキの世代がいるから頑張ってね!!私も応援してるから!!」
火神「ふーん。」
私「じゃあね黒子くん、また応援行くよ。」
黒子「はい、山吹さん。緑間くん、またやりましょう。」
緑間「当たり前なのだよ、次は勝つ。」
私の分含め3人分の支払いを何故か緑間くん1人で負担してくれた。
何でも、グズグズしてしまったお礼なんだとか。
店を出るとリアカーで待たせていた高尾君が私たちの荷物を乗っけて帰る準備万端だった。
高尾「じゃんけんなしでもいいぜ。」
緑間「ふんっ。」
私もリアカーの後ろでゆっくり揺られながら綺麗な星を眺めた。
外は雨も晴れ少し肌寒いがどこか暖かさのある夏を思わせる。
今年の夏が始まろうとしていた。