第10章 towaco×牛沢
towa「急に泣かれたって何のこっちゃ分からんやろ?ちゃんと言うてみ?」
まるで父親か兄ちゃんみたいな口調で言ってくる。
そして俺はこの際だからってなんとなく思った。
牛沢「……好きな奴ができた」
towa「うん」
牛沢「……でも全然気付いてくれない」
towa「まあ、あるわなそういうことも」
牛沢「……だから辛いんだよぉ」
towa「っだから、すぐ泣くなや!」
そう言ってまたこいつは、抱き締める腕の力を強めてくる。
牛沢「そういうとこがむかつくんだよおぉ!!!」
towa「はあ!?なんやねん人の善意に向かって!」
牛沢「だから好きになっちゃうんじゃねえかあああ!!!」
towa「!!!!」
どうとでもなれ、もうなんだっていいんだから。
towa「え…今自分、なんて?」
牛沢「うるせぇ…っ」
towa「泣いとらんでいいから、もっかいちゃんと言うて」
牛沢「…っもう言うわけねぇだろ」
振られんの分かってんだから。
こんなんだったら今日やっぱり来るんじゃなかった。