第13章 テラゾー×スナザメ
スナ「俺の話はもういいですよ、テラゾーさんは最近どうなんですか?」
テラ「どうって?」
スナ「女性関係とか好きな人とか」
テラ「…うーん」
もうちょっとお酒入ってからそういう話しようと思ってたけど、まさか相手から振ってくれるとは。願ったり叶ったりだねこりゃ。
スナ「悩むってことはいるんですか?」
テラ「…まあね」
スナ「好きな人?」
テラ「…うん」
そんなワクワクした顔されても、こっちにも心の準備ってもんがあるから。
スナ「どんな子なんですか?」
テラ「……」
スナ「ここまで来て黙りはずるいですよ!」
もちろん言うよ。だって今日はそのつもりだったし。もう一年も隠してきたんだから。
テラ「こんなやつ」
スナ「え?」
テラ「今俺の目の前に居る」
俺はスナザメを指さして、声のトーンを変えないよう注意しながら言う。あくまで平然を保って、余裕だと思わせるため。