第13章 テラゾー×スナザメ
生放送が終わって各々が帰って行く中、俺はスナザメを呑みに誘った。
スナ「珍しいですね、テラゾーさんから呑みに誘うの」
テラ「まあ、そういう気分だったから」
個室でふたりきり、テーブルを挟んでお酒を酌み交わす。
スナ「何かあったんですか?」
テラ「それはお前の方じゃん」
スナ「…聞いてたんですか」
テラ「あの状況なら嫌でも聞こえてくるでしょ」
ふたりの間に妙な沈黙が生まれる。俺は気を許した相手だと当たりが強くなる。でもそれをいつも穏やかに相手してくれるのがスナザメの凄いところ。
テラ「どっちから言ったの?」
スナ「…向こうからです」
テラ「じゃあ振られたんだ」
スナ「そうなりますね…」
珍しくムスッとして、でもどこか悲しそうに彼は言う。
テラ「でも良かったんじゃない?」
スナ「…え?」
テラ「話聞いてるとろくな人じゃなさそうだったから」
スナ「…まあ」
でも付き合い出した当初のスナザメは、本当に幸せそうだった。口にしたことはなかったけど結婚も考えていただろうし。だからきっと、結構辛いんだろうなとも思う。